"少女A" - part4 - 2020.11.04

この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません。
著者:ハッシー

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妊娠中にスキルス胃がんが発覚したメイは、堕胎して治療に専念するか、
このまま出産月まで治療せずにいくか選択を迫られた。

夫は、子供のことはあきらめ、何としてもメイに自身の体のことを第一に考え、治療に専念して欲しかった。
しかし、めいは両親を早くに亡くし、孤独な人生を送ってきたというトラウマがある。
自分の生命より、家族が増える、授かった赤ちゃんを優先することを決断したのだ。
体調には最新の注意を払った。
そのおかげかどうか、メイのお腹の子はすくすくと成長していった。

そして、妊娠10ヶ月目に帝王切開で赤ちゃんを出産することができた。
出産の喜びも束の間、出産から1ヶ月程して、肝臓の数値が高値を示し、その頃から咳が頻繁に出始めた。
CT検査にて、スキルス胃がんからの、肝転移と肺転移が発覚した。
妊娠のホルモンの影響にてガンは猛威を振るい始めたのだった。

早速、抗ガン剤治療とホルモン療法を開始した。
しかし、治療の甲斐もなく腫瘍の縮小は認めず、胃痛が増強していった。
1ヶ月もすると今度は脳にまで病魔は襲い、脳転移も認めた。

ここまでくると、メイは治療を中断し、余生を子供と旦那の為に時間を費やすことにした。
最小の時間で最大の思い出を作るべく。。。
退院し、自宅で限りある時間を過ごすことに専念したのだ。

2週間ほど自宅にて静養、子供の泣き声、笑い声とともに密な時間を過ごしていた。
しかし、徐々に痛みと黄疸が出現してきた。
覚悟を決めて終末期医療でホスピスに入院し、痛みの治療のみ行った。
その後は、脳転移のせいか急に意識がなくなった。
事前のメイの希望により、積極的な治療は行われず、眠るように天に召されていった。

残された夫は、悲しみのどん底に落ちた。
しかし、メイとの間に生まれた子供を生きがいとし、
メイの為にも立派に、そして健康に育てあげることを心に誓った。

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たとえどんな人生だったとしても、誰もが皆奇跡的に命を授かっています。
たったひとつの命、体、人生です。
これらを大切に、健康に過ごしていきましょう。

by ハッシー

 

はる診療所

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